智恵子講座’10

智恵子講座’10開校式レポート

2010年(平成19年22年)4月18日(日)

 二本松市市民交流センター

智恵子のまち夢くらぶ代表、熊谷健一会長の

開講の挨拶があり、今年度のプログラム確認等してから

第1回 講座 「高村光太郎の人生と詩」

講師は福島大学名誉教授 木村 幸雄さん。

副題に「転刑期の愛のかたちをめぐって」とあるが

転刑期については転換点などと用語似ていて

次の愛のかたちとして大きく4つに区分してあるので

それで意味感じて貰えれば幸いです

はじめに 人生の記録と愛の詩篇として

三つの区分 『道程』と『』智恵子抄」』

『猛獣篇』と『智恵子抄」』

『典型』と『智恵子抄」』が講義されました

つぎに「暗愚小伝」による人生区分

1<家>生年明治16年から36年 21歳 「土下座」「午前彫刻」

注:「」詩の題名

2<転調>22歳から27歳まで(明治27年から42年)「彫刻一途」「パリ」

3<反逆>28歳から31歳(明治43年から大正2年)「親不孝」「デカタン」

4<蟄居>32歳から57歳(大正3年から昭和14年)「美に生きる」「恐ろしい空虚」

5<二律背反>58歳から63歳(昭和15年から20年)「ロマンロラン」

6<炉邊>63歳から65歳(昭和20年から22年)「報告」「山林」

そして本題の転刑期の愛のかたち

明治45年から大正3年(転刑期1)

<明治から大正へ 「デガダン」から「美に生きる」へ・「廃頽者」から「新しきまことの人へ」>

「人に」「涙」「或る宵」「郊外の人に」「人類の泉」「僕ら」など

大正12年から昭和6年(転刑期2)

<愛の詩篇の系列ー愛の成熟から人生の危機へ>

「樹下の二人」「夜の二人」「あどけない話」「同棲同類」など

<「猛獣篇」の系列ー寓意による人生批評ー孤独から憤怒へ>

「傷をなめる獅子」「狂奔する牛」「鯰」「ぼろぼろな駝鳥」

昭和10年から16年(転刑期3)

<人生凝縮と病める妻への愛・死んだ妻への愛>

「人生遠視」「千鳥と遊ぶ智恵子」「山麓の二人」など

昭和20年から25年(転刑期4)

<戦中から戦後へー智恵子の復活・愛の詩篇の復活>

「松庵寺」「報告」「元素智恵子」「あの頃」

それぞれ講義あり

その詩のできた時代背景など含め、詩の中から

どこにその事が現れているか見つめ直して頂いた

こんな読み方も詩にはあるのかと

改めて感じ入った。

詩集は記録、人生の記録と達観した光太郎

智恵子抄くらいしか読んだ事のない私にとって

大変有意義な講義であった。